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=== 目次 ===
和紙と洋紙の違いについて… 20110308

簡単に和紙の特徴を教えて下さい。(特にインテリアについて)和紙を壁紙として使う場合の施工方法を教えて下さい。和紙を壁紙として使う場合のメンテナンス方法を教えて下さい。自宅の居間に和紙を貼っても良いですか?シックハウスやホルムアルデヒドについて和紙は何度で燃える?和紙とマイナスイオンその昔トロロアオイは日本に存在しなかった?和紙は中性紙?鳥取の小学生から埼玉県の小学五年生から水素結合とはもう一度水素結合雑草で紙を作る和紙を天井に貼る湊紙ソーダ灰学校で稲わらを紙漉きするには?楮一本で何枚の和紙ができますか?再生紙の必要性ペーパーフル時代汚れたらどうするの?和紙をコンパネの上に貼る月桃紙不織布パルプ和紙マネキン友禅染めケナフのパルプ化和紙の歴史海外で注目される和紙和紙は黄ばまない(晒しとは)和紙は身体にいい草木染め波動コピーとレーザープリンターインクジェットプリンターリソグラフ本当の意味のリサイクル、エコロジー保温保湿、UV効果エアーコンディショニング和紙とは?和紙の定義和紙と洋紙の違い永遠のテーマ?本当の省エネルギーとは?・ ドーサ膠明礬

 

 
Q...●和紙と洋紙の違いについて… 20110308
 
和紙と洋紙は何処が違うのですか?
実はいろいろな考え方があり、分類の仕方が大きく別れます。
原料による分類、紙漉きの技法による分類、生産地による分類等々
今回ご紹介するのは、その一例です。
和紙を顕微鏡で見てみましょう。
写真の紙は、越前和紙の里の人間国宝、岩野市兵衛さんの紙です。
楮(こうぞ)100%の奉書を、数百年前と同じ技法で現在を紙漉きを続けておられます。
繊維の絡み合いで紙になっています。非常にシンプルな構造になっています。
一方もう一枚の写真はオフィスで使用しているコピー用紙を撮影したものです。
パルプの繊維とは別に、実に様々なお化粧の粉が塗られています。
和紙と洋紙を区別する際に、その構造のシンプルさ…が挙げられるのではないかと
思います。
化学的に物を量産してゆこうという洋紙では、どれだけ早く大量に紙が作れるか…
という思考方法で抄紙技術を向上させて来ました。
そのため、繊維は出来るだけ短く、粉々に砕いて、均一な状態にすることで、
スピードを速めてきました。なにか足りなければ…お化粧をするわけです。
紙質が弱くなるから紙質強化剤を使用し、色を白くしたいから漂白し、より平滑性を出す為に
細かいパウダーを混し、高圧でプレスする。インクジェットに対応させるなら、その上さらにコ
ーティングをする…このように、洋紙はどんどん足して行く化学的な考え方をもって、発展して
きたように思います。
一方和紙は至ってシンプルです。市兵衛さんの紙は楮(こうぞ)の繊維だけで成立しています。
そのため、ふっくらと柔らかく、丈夫で、1000年の保存にも耐える紙ができます。
和紙はそのシンプルな製法のため、その繊維のもつ特性がそのまま紙の特性となります。
楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)、麻、それぞれの繊維の特性を活かし、
時にそれらの繊維を絶妙にブレンドすることで、長い歴史の中で、様々な用途に耐え得る
和紙が生まれてきました。
和紙はその中に多くの空気の部屋を抱えて、呼吸をしています。一方洋紙はコンクリートで
固められた板のようです。
コンクリートは一見凄く丈夫そうですが、もろいです。
和紙は一見弱そうですが…柔軟なのです。

 

Q...簡単に和紙の特徴を教えて下さい。?
 
和紙は中国からもたらされ、飛鳥朝時代には日本国内で生産されていました。平安時代には、貴族の住居の襖や障子として用いれるようになりましたが、一般庶民の住宅に広まったのは江戸時代中期といわれています。このように和紙は、昔から日本のインテリアには無くてはならない存在だったのです。
●室内の湿度に合わせて吸湿、放湿を行い、室内を等湿に保つ。(結露やカビの防止)
和紙の繊維は長く繊維のすき間に含む事が可能であるため、室内の湿度の高い場合は吸湿し、逆に湿度が低いと空気中に水分を放出して室内の湿度を一定に保つ働きがあります。
より専門的に言いますと、和紙の繊維は糊でくっついている訳ではありません。「水素結合」という弱い電気的な結合で繊維同士が引き寄せあっています。この弱い結合は浸水性があり水の分子を取り入れたり、取り出したりします。呼吸をしている訳です。
●自然の素材を原料にしておりアレルギーの危険性がない
基本的に和紙は、楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)、などの自然素材のみを原料にしていますので、シックハウスの原因となるホルムアルデヒドを放出しません。また、花粉の様な微小な物質やアンモニアなどを吸着する性質もあります。
ただし、施工に使用する糊の成分に、シックハウスの原因物質がふくまれている場合がありますのでご注意ください。
●燃やしても有害物質を出さない
同様に自然素材のみを使用していますので、燃やしても有害物質が出ず、廃棄の際や火災の際に人体への
影響がありません。
●洋紙に比べると長い繊維を使っているので、紙表面の表情が豊かである。
和紙の特徴は、その長い繊維にです。その繊維が絡み合ってできる表情や手触りは洋紙とは違う暖かなものとなっています。和紙の中でも、使用する材料や漉き方によって表現が驚くほど変化します。それぞれの風合いをお楽しみください。
●洋紙のように森林資源を使用していないので、エコロジー的に優秀である。
和紙の基本的な原材料は全て畑などで短期間でつくられるものばかりです。そのため、生育に時間のかかる木材を主な原料としている洋紙と比較して森林資源の破壊が少なくエコロジーな素材といえます。(中には紙の性質の調整の為パルプを混入した和紙もあります。)また、リサイクルしても元の同程度のクオリティの紙に仕上げることが容易にできます。
紫外線カット
★消臭性能抗菌性、スニーカーソックスが宇宙船内被服に採用された(2013、キュアテックス資料)
調湿性
★UVカット
★吸着性、海洋汚染物質の除去につながることがドイツの学会で発表される(2013、キュアテックス資料)
●抗菌性。植物の樹ではなく表皮部分を主原料とする和紙は、和紙には優れた抗菌作用があると言われています。
 
 
 
Q...和紙を壁紙として使う場合の施工方法を教えて下さい。
 
■施工上の留意点
-和紙はホルマリンなど化学物質を使っておりません。糊はノンホルマリンのものをご使用ください。
-糊に紙をなじませるオープンタイムの時間は15分とし、ほこりが吸着しないように、クロスボックスやクロスバックに入れて埃がつかないよう注意してください。
-表面にローラーなどで強く力をかけないでください。(キズや型が入ります)押さえには柔らかいハケを
使用してください。
-糊溜まりがある場合は、へらで延ばさず刷毛の先で叩いて散らすようにしてください。
■施工方法
※和紙の壁紙の施工方法に、通常の壁紙と同じ直張り工法と、簡易的な袋張り、袋張り工法があります。
直張りの方が施工は簡単ですが、仕上げの状態は袋張りの方が美しくなります。また、和紙の壁紙は伸縮をしますので尽き合せにせず、重ね張りをした方が季節や湿度の変化によりすき間が空くことを防ぐことができます。
ここでは主に袋張り工法の方法を紹介します。
1.「廻りべた」の加工
・和紙を二寸(6センチ)程度の幅にカットして、貼り付ける間口の端部に貼り付けます。
2.下張りの和紙の準備
・下張り用の和紙を準備し、四つ切り程度のサイズにカットします。
(角を挟んだ2辺を刃物によるカット、もう2辺を折って水に濡らして裂いて(食い裂き)おくと、袋張りの重ねた部分が目立ちません)
・全体的に霧吹きかハケで適度に湿らせておきます。
3.袋張り
・下張り用の紙に糊を周囲一寸(3cm)程度貼り、間口の端より3センチ程度すき間を空けて貼り付けます。
・次の紙を先に貼った紙と一寸(3cm)ほど重ねて貼り進んでいきますの
・2辺を食い裂きにして場合、食い裂いた部分が刃物でカットした部分の上になるように貼っていきます。
・下地の袋張りは一重のもの(一編袋)と二重のもの(二編袋)があります。二編袋で施工する場合は、上側の袋張りが一編袋の袋張りと同様になるようにして下側の袋張りはそれより一寸(3cm)ほど内側になるように貼ってください。
4.上張り
・上張りの紙を間口に合わせて割り付けを行い、紙をカットします。
・全体的に霧吹きかハケで過度に湿らせておきます。
・同様に周囲3cm程糊を貼り、重ね幅は三分(9ミリ)程度とります。
基本的に右前張りにしますが右側より強い光の入るところでは左前張りにします。また、紙の向きにより見え方が変わるものもありますので、一定方向に張ってください。
付録.簡易的な袋張りの方法
・下張りとして、全面に和紙を全面に糊を塗ってベタ張りします。
・上張りは通常の袋張りと同様に行います。

尚、詳しくはこちらもご参照戴ければ幸いです。(写真入りで、解りやすい説明です。)

 

Q...和紙を壁紙として使う場合のメンテナンス方法を教えて下さい?
 
・張り替える場合
壁紙を張り替える場合はそのまま剥がして、裏打紙の上から新しい壁紙を施工してください。
・汚れが付着した場合
汚れは硬く絞った布で軽く叩き汚れを浮かせます。浮いた汚れを乾いた布で軽く拭き取ってください。
・ハガレが生じた場合
経年変化により、一部紙がはがれる場合があります。剥がれを見つけたらすぐに木工用ボンドなどの糊で補修を行ってください。

 

Q...自宅の居間に和紙を貼っても良いですか?
 
・防火に関して
通常の住宅の居室には和紙を壁紙として使用することができます。ただしお住まいの場所により、使用できる内装材の素材(防火性能の違いによる)が規制される場合があります。その場合、その建築に必要な防火の認定が必要になる場合があります。和紙そのものは通常防火認定を取得しておりませんが、壁紙向けに制作されているものは取得をしている場合もあります。詳細は、お住まいの地方自治体、建築家へお問合せください。
また、規制を受けない住宅でも、一部の部位(火を使用する調理室など)では内装に和紙を使えない場合があります。
 
Q...シックハウスやホルムアルデヒドについて
 

・ホルムアルデヒドに関して
私どもで販売している和紙をはじめ、二次加工をしていない和紙は改正建築基準法に基づくシックハウス対策に係る規制の告示対象外で規制を受けない建材になりますので、そのまま壁紙に使用が可能です。
また、越前の和紙は製造過程でホルムアルデヒドを使用しておりません。ただし、一部の自治体で壁紙の国土大臣認定が必要である場合があります。詳しくは各地方自治体、建築家へお問合せください。

 

 
 
 
 
Q...和紙は何度で燃える?
 
火災等における自然発火温度は種類によりますがおおよそ200〜250℃の間にはいるようです(特殊加工紙は除く)。基本的に木材(かんなくず)と大差なく、無加工の木材が使用できる条件であれば消防法的にはOKです。(以上、福井県今立町大滝神社神主、上嶋様より)
 
Q..和紙とマイナスイオン
 
滝の周辺はマイナスイオンが多いと言われてますがそれは、滝の水が流れるというか落ちる衝撃で水の分子から電子が飛び出して、その周りの空気がマイナスになります。
このことから、紙の細かい繊維の間を適度な水分を含んだ空気が通り抜けることによって繊維と衝撃し、電子が飛び出し、マイナスイオンが発生すると言うことです。
これは酒井理化学研究所の酒井先生の報告にもありますが、和紙は洋紙、そして塩ビ壁紙に比べ多くのマイナスイオンを発生します。
これは和紙は洋紙や塩ビ壁紙に比べ隙間が多いからです。
また、酒井先生の研究報告の中にマウス実験で和紙に囲まれた空間では洋紙に囲まれた空間にいるよりは鎮静効果あるそうです。たぶんに、マイナスイオンとの関係だと思います。
以上のことから紙は基本的にマイナスイオンを発生します。
但し、和紙は発生する割合が他の紙にくらべ多いです。(以上、福井県今立町石川浩さまのご意見です。・・・素晴らしい)
 
Q..その昔トロロアオイは日本に存在しなかった?
 
和紙の分散材として、今日当たり前に使用されるトロロアオイ・・・しかし、この植物はずっと最近になって日本に入ってきたそうです。それじゃ、それまではなにを分散材に使っていたか・・・昔の文書をひもとくと、サナカズラ、ピナンカズラなどといった植物で・・・ニレの木の種類らしいです。(以上、杉が久米先生より拝聴しました)してみると、岩野市兵衛さんが、ノリウツギを使用するのもうなずけます。このノリウツギもニレの木の種類と聞いています。
 
 
Q..和紙は中性紙ですか?
 
中性紙という規定については、いろいろな解釈がありまして、
中性域の範囲を6.5〜7.5もしくは、人によっては6.3〜7.8程度までの範囲をもって、中性紙とみなしているようです。
この意味では、羽二重紙もちぎって名刺も若干酸性ですが中性域に存する紙でありまして、洋紙で呼ぶところの、酸性紙ではありません。
天然の水を使用する和紙にとっては、地下水や雨水自体のPHに、影響を受けることが多いです。
さて、ではなぜ、洋紙は中性にできて、和紙は酸性なのでしょうか?
洋紙は最終的にいろいろな薬品でお化粧をします。そして炭酸カルシウムを添加して、見事に中性に仕上げます。
しかし、洋紙は本来粉々の粒を糊や薬品でくっつける仕上げですので、いずれ薬品などの劣化とともに、化けの皮が剥がれてゆきます。一方和紙はシンプルな繊維の絡み合いでをもとに、繊維同士が結合しているために、長期保存性に優れる結果となります。
人のお肌も弱酸性と聞いています。
その程度がむしろ自然なのかもしれません。
Q..鳥取の小学生からのご質問
 
1.越前和紙の工場の規模はどれぐらいですか?
越前では、いろいろな和紙を漉いています。 おじいちゃんと、おばあちゃんだけで、漉いている、家族だけで和紙を漉いている手漉き工場から、50人位 のおおぜいで、紙漉をしている大きな工場までさまざまです。それぞれ得意な和紙を漉いています。
2.他の県の和紙との違いは何ですか?
越前では、色々な紙を漉いています。大きな紙・・・ 2メーター×3メーター近い大きな手漉き紙も作りますし、楮(こうぞ)や三椏(みつまた)や雁皮(がんぴ)や麻(あさ)などの様々な原料をつかって、厚い紙、薄い紙、色付きの紙、柄を入れたディスプレイ用の紙など、その種類の多さは、たぶん日本一・・・世界一だと思います。 また、その紙を切る専門の職人さんや、はり合わせを専門にやる職人さんなど、色々な専門の職人さんが多いのも、特色です。 そうそう、透かし入りの卒業証書なども、全国の学校の賞状を漉いていますよ・・・ちなみに、鳥取大学さんの卒業証書は、透かし入りの越前和紙です。(大学に行って見てきてください。)
3.水はどこの川でくんだ後に、手を加えますか?
水は、山から流れてくる谷川の水や、わき水、井戸の水(地下水)などを使います。 越前には、大きな川や大きな山は無いのですが、水はおおくて、私の家のしきちの中には井戸が3つもあります。 この清らかな水で、清らかな和紙ができるのです。
4.越前和紙作りに、こだわりはありますか?
もちろんあります。越前の紙漉は、1500年の歴史と言われていまして、その昔谷川に女神様があらわれて、「この土地は水が清らかなので、紙漉にはげみなさい」と紙漉の技術を教えてくださった・・・という伝説がございます。この女神様を「川上御前」と呼び、今でも毎年5月3.4.5日に川上御前をまつる和紙のお祭りが1500年たった今も続いています。この神様は、ざいむ省(むかしの大蔵省)にもまつられています。お札を作るときに、越前から、紙漉の技術を教えに行ったからです。 このような、優れた技術、伝統を、受けつぎ、さらにみがきをかけるため、ごせんぞさまに、はずかしくないような、立派な紙をつくる、作り続ける、というこだわりがあります。
5.和紙を輸送するのにどのような工夫をしていますか?またどこの県に送っていますか?
いっしょうけんめいに作られた、大切な和紙ですから、傷がついたりしないように、箱に入れたり、回りにクッションになるように、つめものを入れたり、紙管(紙のぼう)に巻いたりして、大切にお送りします。 送る場所は、全国、日本中です。 沖縄にも、東京にも、北海道にも、鳥取にも送っています。 日本だけでなく、アメリカやヨーロッパにも、ゆしゅつもしています。

Q..埼玉県の小学五年生Mさんからの質問
 
1. どういうところで、紙漉が盛んか?
水の綺麗で、空気のいいところ、つまり田舎ですね。 日本の3大和紙産地は、ここ越前〔福井県の古い呼び名〕と美濃(岐阜県の古い呼び名)と土佐(高知県の古い呼び名)
2. 何日ぐらいで作れるか?
仕上げる紙によって作成日数はちがいます。 ちなみに人間国宝の岩野市兵衛さんは一週間の月、火、水、木は原料の処理で、追われます、紙を漉くのは金、土だけです。紙を漉くまでの工程に大変時間が掛かります。(原料を煮たり、ゴミをとったり) ちなみに、和紙の原料となる楮(こうぞ)や三椏(みつまた)は一つの株から毎年育ちます。秋に刈り取ります。
3. いつ頃から紙漉をしているか?
越前和紙は、和紙の産地の中で最も歴史が古く、1500年の歴史と言われています。 日本で唯一の紙の神様がいらっしゃる神社があります。お札・・・紙幣(しへい)に入っいているスカシという技術は、越前から技術者が教えに行きました。 戦争中は越前で(私の会社の目の前が「造幣局」・・・大きな手漉き工場だったそうです。)お札を漉いていました。
4. どうしてトロトロから紙になるか?
これは、理屈を説明すると大変です。 とろとろの中に紙の原料が無数に広がっているのです。 これを均一にすくい上げるとまだこの段階ではトロトロがどろどろになったていどです。 徐々に水気を減らして、乾燥することで、繊維同士がしっかりと結びつきます。専門的には水素結合(すいそけつごう)といいます。
5. 色はどうするのか?
原料の段階で、紙を漉く前に均一に色染めする場合と、漉いた後で染める場合があります。 原料のままで色を付けずに漉いたら、肌色(卵色?)です。
6. 和紙はこれからどうなるのか?
これは、Mさんが今後、和紙を使ってくれるか?どうかに、かかってます。 誰も使わなくなったら、和紙は無くなります。 みんなで、使ってくれたら、和紙は残ります。
7.後継者はいるのか?
いますよ。ただ、むかしのように、親から子へ、代々技術を伝えるという形から変わってきている気がします。紙漉の職人の子供だから、紙漉をしなきゃいけない・・・って考えも薄れてきましたが、一方で、もともと紙漉と無関係のサラリーマンやキャリアウーマンが、紙漉をしたい・・・と全国から集まっているという状況もございます。
ただ、言えることは、紙の需要が無ければ、つまり、その紙を使ってくれる人が居なくなれば、漉く人も居なくなり、後継者も居なくなります。その逆もあります。
Mさんが、和紙を使ってくれる限り、必ず後継者は育ちます。
 
 

Q..水素結合とは?
 
和紙は洋紙とちがって、紙の繊維同士は糊でくっついている訳ではありません。
繊維の絡み合いで和紙と成っているわけですが、じつはこの絡み合いは単に絡み合っている
訳では無く、水素結合という結合が・・・スゴイ・・・行われています。
しかし、この結合は水(H2O)に弱いので、濡れると簡単に結合が解除されます。
水に濡れると破れやすいのはこのためで、この性質は一方で、繊維の結合の間に水分を柔軟に
貯蔵?する性質となるわけで、調湿効果が和紙にあるのはこのためです。

以前、和紙と洋紙の、重要な違いの一つは、楮などの繊維がシンプルに結合しているから
だというお話をさせて、いただきなした。
そのシンプルな結合を水素結合とよびます。千年以上続くアナログな素材である和紙にし
ては、随分科学的な呼び名に戸惑いを感じられるかもしれません。しかしながら和紙の柔
軟性、粘り強さ、耐久性など、和紙の秘密がここにあります。今回はちょっと化学的なお
話になります。

和紙を作るときに、トロロアオイというネバネバした粘液を混ぜて紙を漉きます。
あのネバネバで紙がくっついていると思われていることが多いのですが、違います。
トロロアオイの粘性は紙を漉く時だけ、繊維を均一に分散するために必要な粘りを持たせ
ているだけで、繊維同士をくっつける力はありません。むしろ繊維同士がくっつかないよ
うに、なめらかに絡み合うようにトロロアオイの粘性は作用します。
ちなみにトロロアオイの粘性は熱に非常に弱く手で触っているだけで、体温でも粘りけは
消えて行きます。紙をすいた翌日、乾燥する時にはもう粘性は消えてしまっているのです。
ちなみにトロロアオイは何もせずに放置しておいても、夏なら数時間で水になってしまい
ます。紙を乾燥させると、粘性は完全に消えてしまい、セルロースだけが紙として残るこ
とになります。
和紙の繊維をマクロで覗いてみると、一本一本のセルロースから成り立っているのです。
セルロースの集合体が和紙ということになります。
話がややこしいので簡単に説明しますと。
セルロースには何本もの「O(オー)」酸素の腕が出ています。
紙を漉いている時には繊維は水中に浮かんでいるので、多数の水「H-O-H」に包まれてい
る状態なのです。
ところが紙を漉き終えて、乾燥をはじめると、水分がドンドン蒸発して行き、最終的に
「H(エイチ)」(水素)を介してセルロース同士が結合し合います。これを水素結合と
いいます。
このとき、「O(オー)」はマイナスの電荷を帯びていて、「H(エイチ)」プラスの電荷
を帯びています。プラスとマイナスの電気的な結合が完成するわけです。
ただ、この結合力は非常に弱く、ここにまた水が沢山入ってくるとこの結合力は薄れ、繊
維同士はまたバラバラになってしまいます。

この弱い結合というのが、和紙の粘り強さの秘訣でもあるのです。
長い繊維が複雑に絡み合い、長いセルロース同士が無数の水素結合を行って、一枚の和紙
になっています。
洋紙のように高速で抄造することを意図した紙は、セルロース自体が短いため、当然結合
力は弱くなります。そのために紙質を強化するために薬品を付加したり、薬品を塗るなど
して強度を向上させるのですが、和紙はそのままで丈夫なのです。
また、シンプルな構造上柔軟性があり、水分を与えて和紙をゆっくり引っ張ると和紙は伸
びます、乾燥すればそのままその形で再び水素結合がおこり、伸びた状態を保持します。
コンクリートで固めたような洋紙には、とてもできない芸当です。

和紙の柔軟性、耐久性、強さ…
それは、長い繊維と、シンプルな構造と、水素結合に支えられていると言えます。

参考に成りそうな、図はこちら…
http://www.ipc.shimane-u.ac.jp/food/kobayasi/paperstructure.html

 

もう一度・・・水素結合とは!(NHKジャパンインパクトより)

基本から入ります・・・
そもそも、和紙はセルロースの結合によってシートになっています。
水素結合の話の前に、先ずセルロースとはブドウ糖が長く繋がっている状態です。
このブドウ糖は「光合成によって作り出されます」
光合成の化学式は
6CO2(二酸化炭素)+12H2O(水)+688Kcal(光エネルギー)
=C6H12O6(ブドウ糖)+6O2(酸素)+6H2O(水)
となります。
このC6H12O6(ブドウ糖)が数十〜数千とつながって、セルロースが出来ているわけです。
====
さて水はH2O・・・H-O-H・・・と、繋がってまして、H水素は電気的に(+)O酸素は電気的に(−)に耐電していて、
水素が若干酸素に引っ張られる感じで、結合してます。
===
さて、紙を漉く時、セルロースは水の中で分散しています。
そのときブドウ糖からはO-Hの腕が伸びています。
つまり、漉きフネの中では、セルロース(O-Hの腕)同士の間に無数の水(H-O-H)が
それぞれのOはHを、またHはOを、それぞれ電気的に引き合う形で分散しているわけです。
===
さて、紙漉を終えますと、乾燥です。つまり、セルロースどうしの間にあった無数の水が蒸発してゆくことになります。
このとき!面白いことが起こります。
水が蒸発することで、セルロースの(O-Hの腕)は水の替わりに結合する相手を捜し始めます。
そして、最終的に水分が亡くなってしまうと
セルロース(O-Hの腕)は、隣のセルロース(O-Hの腕)と直接つながってしまうのです。
O-H-O-H-O-H-O-H・・・
お互いのセルロースのO(自分)は、Hを介して、(隣の)Oと結びついているのです。
O(自分)-H-O(隣)-H-O(自分)-H-O(隣)-H・・・
====
このセルロースどうしの結合は、H水素(+)と、O酸素(-)が、電気的に引き合う分子の結びつきなんです。
これを「水素結合」と呼びます。
和紙は、無数のセルロース同士が複雑に絡み合って、セルロースの腕から伸びた・・・水素は酸素を、酸素は水素をお互いに引き寄せ合って電気的に結合しているのです。
これが、和紙の強さの秘密でもあります。
===
さて、話は戻って・・・このセルロースが持っている(O-H)の腕は、一体どこから来たのでしょう?
そうです、光合成によって、出来たモノなのです。
つまり、和紙自体が、太陽の恵みから作られた産物だったのです。
和紙は太陽の恵み」!!すばらしい!

 
Q..雑草で紙を作れますか?(なごみさん)
こんな本があるという報告がありました。(中北様ありがとう。早速わたしも購入しました)
「雑草からカードづくり」ワンダーランド
木村光雄編著 いかだ社 1996年5月5日発行 1300円 A5判96ページ
丁寧に紙作りの説明かございます、それぞれの雑草の生息期間から、紙への向き不向きまで。
その後、「なごみ」さんから、楽しそうなメールが届きました・・・
以下抜粋・・・・・・
煮出したタマネギの皮とかくれたんでできたのですが、 やっぱり野草・野菜では、葉書くらいの厚みを出そうと思うと 難しかったです。
結果的には、よもぎが一番きれいにできました。 葉書になりそうなのもよもぎ。でも、もうちょっと強度が 出ればの話ですが。 白菜・タンポポは厚みを持たすときれいな白・薄緑になりましたが やっぱり繊維が細かいのか、厚みが出ませんでした。
結局、牛乳パックのパルプをまぜたりしてみたりしました。 厚くしようとすると乾きにくくて、中には2日かかったものもありました。 タマネギの皮は、想像以上にきれいな色が出たのですが、 繊維の構造上でしょうか、それか繊維が細かくなかったのでしょうか? 乾くとくるっと丸まっちゃうんですよ。 ピンクっぽくて良かったんですが、不向きのようです。
白菜、キレイに作って食べてみたらとろろ昆布のような風味がしました。 パイナップルの紙を今度はノンアルカリで作ってみたいです。 おいしそう(笑)
今回は全て、粉石鹸でアルカリを加えて煮るという方法で繊維を取り出しました。 また、簡易な紙漉枠ではきれいに形を整えられませんね。 干し方も難しかった・・・・。 厚みを持たそうとすると、なかなか水分が取れないし・・・。 一筋縄ではいかないですね。紙漉。奥が深い・・・・・
楽しそうな現場の雰囲気が伝わるメールを戴き、嬉しいです。(杉)
 
Q..和紙を天井に貼る方法を教えてください。
季刊和紙って雑誌をご存じですか? 発行はわがみ堂!この季刊和紙の18号は壁紙の特集で、天井などにも和紙を貼る現場の写 真などがざざいます。
尚、この記事の寄稿者の浜中さんからさらに補足がございました・・・
「経験のない方が袋張りをするのは、はっきり言って無理です。 一度実際の作業をご覧になり、説明を受けながら合板にでも試し張りをすること が可能ならば挑戦するのもいいと思いますが、それ以外でしたら、悲惨な結果に なること間違いなしです。
現在クロスが張ってある状態でしたら、きれいに剥がして直に張ることを私はお 薦めします。その時の具体的な方法は季刊「コンフォルトNo19」を参考にされる と良いかと思います。 」
(以上のご回答は東京の浜中様からのアドバイスです。ありがとうございました。)
Q..湊紙の入手と施工について
そもそも湊紙のことですが、文献などによると故紙ということになっていますが、 現在ある湊紙は江戸時代に大阪湊のあたりで製紙されていた反故紙を復元した 「復元紙」といったものだとご理解下さい。
湊紙は一般にお茶室の客座周りの腰に張ります。 一般の住宅に腰張りを施す場合、私どもでは美濃紙を用います。 ただ、デザイン的なことや好みによって何でも良いのですが、 柔らかく、土壁の中に叩き込むように張りますので、それに適したものをお選びねがった方が、施工はし易いです。
いずれにしましても現在請け負っている業者の表具店さん(襖や障子を張る職人) の方にご相談した方がよいと思います。材料の手配もそちらで出来ます。 湊紙、美濃紙に限らず見本があると思いますので、ご覧になった上でその方にご 相談して決められたらよろしいかと思います。
また、糊ですが、土壁の状態(昔ながらの 本当の土のみのか、現在京聚楽などの名称で一般 的に使われているものか)と張る紙の状態を考慮した上で、新糊(正麩糊)とフノリの配分を考えて使用します。 それは、紙を張ることによって壁をかえって傷つけてしまうことになるからです。 ご存じのように、フノリはほとんど接着力がありません。例えば、昔ながらの土 壁に故紙のような枯れた紙を張る場合、フノリにほんの少しの新糊を加える程度です。また当然、逆もあります。 最後に張る紙ですが、予算の応じて何でも張ります。湊紙・奉書から色鳥の子まで・・・(以上のご回答は東京の浜中様からのアドバイスです。ありがとうございました。)
Q..ソーダ灰の入手方法(重曹と晒し粉)
「ソーダ灰」重灰(じゅうばい)は、炭酸ナトリウム Sodium Carbonate : Na2CO3  苛性ソーダの代わりに煮熟に使います。販売には受領印が必要です。
重曹は、重炭酸ソーダの略称で、炭酸水素ナトリウム Sodium Hydrogen Carbonate : NaHCO3 これは紙漉には使わず、山菜のアク抜きに使います。 この薬品は普通 物で、スーパーマーケットでも入手可能です。
晒し粉は、次亜塩素酸ナトリウム Sodium Hypochlorite Solution : NaClO これを紙料漂白に使います。 酸化性、毒性が強く、劇物、危険物に指定されています。
でも、ご自分で和紙を作られるためにお探しでしたら、灰でいいのですよ。木の灰でも何でも。 灰汁を作れればいいのですから・・・
Q..学校で稲わらを使って和紙を作る方法を教えて下さい。
植物体から樹脂分を洗い流して繊維を 取り出すのですから、アルカリで炊くことは必要だと思います。問題は、 アルカリの強さです。水酸化ナトリウム水溶液の濃度がわかりませんけど、 濃ければ危険、薄ければ時間がかかる、のなかで、バランスを取るしかないと 思います。(ソーダ灰をお奨めしても、やっぱり時間がかかるように思います。) 煮沸するときの換気には十分気を付けて欲しいと思います。
中和をするのは、 煮沸が終わって廃棄する水酸化ナトリウムのことだと思います。稲わらが 入っているところに塩酸を入れるのではなく、稲わらを引き上げてから、 すごい熱とガスが出ますから十分換気をして、薄めた塩酸を少しづつ、pH を 測りながら加えてください。(廃液処理業者が来ているのなら、この工程は 必要ない気もします) ひきあげた稲わらは、大量の水で樹脂分と薬品を洗い流します。引き上げる のに使う道具を何か用意しておいてください。容量 の大きい水槽もいりますね。 一晩くらいは浸けて置いた方がいいかも。
さて、原料の煮熟が終わった。次は叩解ですね。繊維がバラバラになるまで とことん叩く。稲わらを叩いたことがないので、どんな感じかわかりませんけど 木槌などでとことん叩きましょう。 その辺りの話はもういいのでしょうか。ミキサーという手があるか。短い 繊維だから、切らずに解すだけ、にしたいところです。まだまだ道のりは 遠そうですね... (以上和紙のメーリングリストより抜粋・・・中北喜得様の御回答より)
 
Q..楮一本で何枚の和紙ができますか?
折角ですので、色々調べてみました。
実際には楮一本だけで、原料を処理し紙にするのはナンセンスなので、
もっと具体的に調べてみました・・・
これは、楮の障子紙を作る工程の歩留まりのデータです。(和紙の手帖より)
仮に5500グラムの原木のうち、紙の原料となる皮の部分は825グラムしかとれません。さらに、余分な黒皮を削り落とし、水洗いなどの工程を終えて抄造の段階には245グラムにまで減ってしまいます。これを最終的に紙に仕上げると220グラムが完成品となります。

つまり原木の4%が最終製品に仕上がるわけです。
ご質問に戻りますと楮一本の原木が仮に、100グラムとしますと仕上がりは4グラムとなり名刺だと数枚程度と言うことに成ります。
あくまでも計算上ですが・・・
Q..再生紙
再生紙についてのグラフィックデザイナー原研哉さまのご意見です 。(2000.0530竹尾シンポジウムにて)・・・日本の紙の再生率は50パーセント以上でドイツよりもっと進んでいる。日本人は本来再生を上手く考えてきた民族である。白い再生紙を役所が求めるからおかしいのだ、白色度が落ちても良いと言わないと、結局脱墨などで余分なエネルギーを使わないといけない。
また、洋紙の原料となるチップは、木材用に製材した残りである上に、カナダなどは実際に計画伐採を行っており紙は全く環境破壊になっていない
再生紙を作るために、わざわざゴミを海外から輸入する・・・なんて珍現象まで発生している。最近の再生紙という考え方は間違っている。(杉・・・確かに、確かに)
赤星たみこさまのご意見。(日経新聞2000.0530エコロなココロより)
リサイクルすればするほどコストがかかる。コピーやトイレットペーバーに真っ白を望まなければいいのです。再生紙の白色度は70パーセント位 、自然界の白い花が丁度70パーセントですから、百合の花ぐらいの白さなら十分だと思います。
根本的にはリサイクルより前に、先ずどれだけゴミを減らすか!が重要で、リサイクルはその後だと思います。先ず、ゴミを出さない、余分なものは買わない、買っても捨てない、使い捨ての時代は終わりました。良い和紙を買って大切に大切に使いましょう、もらった人も決して捨てない、大切に保存し続けるうちに、たくさんたまったら和紙に再生も出来るし、箱などに貼ってもいい、いざとなったら燃やしてもいい、やっぱり和紙って凄いぞ!!(以上は杉の勝手な意見です。)
Q..ペーパーレス時代が来るのかな??
「人類は紙が好き、天然素材に触れる喜びを身体で覚えている。ペーパーレスではなく、ペーパーフル時代がやってくる」とは、グラフィックデザイナー原研哉さまのご意見です。(2000.0530竹尾シンポジウムにて)・・・いよいよ和紙の出番か!!
Q..和紙に関心のある方はとても多いのですが、みなさんメンテナンスのことを気にされて内装に和紙を使うのを躊躇される方が多いんです。
「一旦汚れてしまったらどうするのか?」
(徳島、中尾さん)
壁紙メーカーが「和紙壁紙」として売り出しているものを定番品、その他の紙を非定番品としてご説明します。
定番品の場合は、ご存じのように撥水加工や表面コーティングを施していますのでビニルクロスと同じように水洗いするとか、消しゴムを用いることが出来ますが、非定番化品の場合は、機械抄きの襖紙のようなものは、ティッシュペーパーを濡らして軽く拭くことは出来ますが、残念ながら基本的にありません。
ただ、生紙でもこんにゃく糊を数回塗布したものは、水洗いできますが・・。
定番化品は、和紙の持つ風合いや温かさは、全くありません。非定番品を使う場合の場所や意味合いを良く考えて、上手に、寛大にお付き合いしていただくことが大事だと思います。
生紙や機械抄きの和紙を張って汚れてきた場合は、その上から柿渋を5〜10倍ほどに薄めたものを塗布するという方法もあります。
(この方法は画期的だと思います。杉原)
> それと、また張り替えるとなったら一度和紙をめくってその上から張り
> 直さなければならないのでしょうか?
> 上から貼り直すこともできるのでしょうか?
張り替えは、定番化品の場合は普通の壁紙と同様に剥がしてから張りますが、非定番化品の場合は、その上からも張れます。
ただ、溜め漉きの厚くゴツゴツしたものの上に薄手のものを張るということは、現実的ではありませんが。(以上は、浜中淑光様より御回答頂きました。ありがとうございました。)
Q..一般的な画仙紙を、コンパネの上に貼たいのですが、どうやって施工すればよいのですか?(東京、kさん)
直に張る場合と袋張りする場合があります。
袋張りで、下地を作る場合は概ね季刊和紙で私が書いた施工方法でよいのですが、画仙紙の場合、薄いのと、紙の強度がないということで、糊付けと張る場合に特に注意が必要です。袋張りの際は、出来れば本石州で2度以上の下張りが必要です。直に張る場合は、コンパネということでアクが問題になります。そこで、カラーシーラーを塗布した後、上新鳥の子でよいですから3*6を1枚捨て張りしてから仕上げ張りを行ってください。
次に糊付けですが、糊の濃さは紙本の裏打ち程度のもの(上記の下地処理をしていれば)。糊付けする台の上に楮紙を1枚敷き、その上に寸法断ちした画仙紙を載せて糊を付けます。少しオープンタイムを置いた後、下に敷いた楮紙と一緒に画仙紙を持ち上げ、建具に張った後、楮紙を剥がします。以上のような方法で、下から順に上に張り上げて行きます。(以上は、浜中淑光様より御回答頂きました。ありがとうございました。)
Q..最近「月桃紙」という紙を手にいれたのですが、より細かい情報をおしえていただきたいのです。
早速ですが、「月桃紙」は「げっとうし」と読みます。 驚くべきことに、和紙文化辞典にも掲載されていませんが、よく聞く名前ですし販売もされていますね。さて、この月桃はショウガ科の多年草で東南アジアの熱帯、琉球から九州南端にまで自生しているとのこと。高さ3メートル。夏に芳香ある淡白色の花をつけるとのことです。この「月桃」の繊維で作った和紙を「月桃紙」と呼ぶのだと思います。
追記・・・この「月桃紙」は沖縄の日本月桃様が販売されているとこが解りました。月桃という亜熱帯性の植物の茎を原料として作っています。お問い合わせはこちらへ。壁紙として支持されていますが、ワープロ用紙、名刺、ハ ガキ便箋等があります。
Q..パルプでできた不織布と、紙とはどう違うのでしょうか。
パルプできた不織布には、王子キノクロスのキノクロス(ご存知のリードキッチンペーパー)、ネオフィルター工業のネオシート、ハッビクスの3社があります。いづれも乾式不織布原料のパルプを静電気で立たせて(同じ方向に並べて)接着しています。用途は、キッチンペーパーのほかおしぼりに使用されています。パルプの不織布はこれだけです。後は、スパンレースでパルプ・PET等の混抄があります。 このパルプでできた不織布に使用されている繊維は、レーヨン糸とまったく同じものです。製造法は、木材パルプに苛性ソーダと二酸化炭素などを作用させビスコースという粘性のある液体にし、これを細い孔のノズルから押し出し、繊維にします。ここまでは、レーヨン糸と同じです。レーヨン糸として使用する場合は、このあと紡績(繊維を平行に並べ、均一の太さに引きそろえて、撚りをかけ、糸にする)します。 不織布として使用する場合、紡績せずに繊維をそのまま使用します。このあとの工程は多種あるようですが、水流絡合法という方法では、繊維をからませて分厚い綿状にしたあと、上からノズルで水圧をかけて薄く延ばしていき、紙状に加工します。この場合、繊維同士は、からまっているだけですが用途によっては接着剤を用いて繊維同士を接着させることもあります。
一方、紙の製造法は、ご存知のとおり、木材パルプを叩きほぐしながら水に溶かし、その後漉きます。水に溶かした際、糊を混ぜます。この糊がパルプの繊維同士を接着させる働きをします。ここでいう糊とは、広義の糊のことで、必ずしもデンプンを使用した糊というわけではありません。単に「繊維同士を接着させる物質」と理解してください。ですから、製紙メーカーの方も、厳密には「糊」とは呼ばずに、 「紙力増強剤」という表現をされていました。(このあたりの記載はかなり曖昧です。洋紙にお詳しい方の御助言をお待ちします)この、紙力増強剤(糊)を使用しなくとも紙を作ることはできますが、その場合、繊維同士の接着は水素結合のみになるので、水に対して非常に弱くなります。紙力増強剤を使用せずに製造された紙の代表として、トイレットペーパーがあります。と言う回答がありましたが、洋紙としての「紙」の回答だと思われます。
ところで、「和紙」はこのご指摘の糊を使用することはありません。通常の和紙は水素結合のみです。繊維を均一に拡散させるために「ねり」と呼ばれる木から取り出した粘液を使用する場合も有りますが(流し漉きの場合です。溜め漉きでは「ねり」も使用しません。)乾燥すると同時にその粘性は無くなり、糊としての効果 はありません。そしてもう一度水に溶かしても二度と粘性は生まれません。誠に不思議な作用を利用して和紙は抄紙されています。つまり水素結合のみの結合が和紙の本来の姿です。非常にシンプルなのが、和紙の特徴です。
Q..国内で集められる故紙を使って紙を作る方がパルプを輸入するより安いのではないのですか?
違います。再生紙を作る費用はバージンパルプから作るより3〜4倍も高くつくのだそうです。でも、再生紙のコストを安くする方法があります。それは再生紙の色を使う人が気にしなければいいのです。生成っぽい白とか薄茶色にすれば漂白剤も少なくて済み値段も安く済みいいこと尽くめです。ついでに、バージンパルプから作られる真っ白な紙には塩素系の漂白剤が残っていて、燃やす時にダイオキシンに変わると言われています。再生紙の方はたいてい酸素系の漂白剤を使うのでその心配はないそうですが、紙に真っ白を求めるのはあまり良く無さそうです。(1999年9月14日、日経新聞、エコロなココロより抜粋)
Q..高島屋に和紙のマネキンがあると聞きました、一体なんですか?
高島屋のHPによると、滋賀県の吉忠マネキン研究所というところが 提案して、高島屋が試験的に採用に踏み切った模様です。 残念ながら一体いくらするのものなのか、わかりません。 この和紙のマネキンに関する情報をお待ちしています。
Q..友禅染め和紙の歴史や由来など教えてください。
残念ながら、私は専門外なので「和紙文化辞典」よりそのまま受け売りです。 友禅紙・友染紙とは明治期に江戸で売り出した千代紙の銘柄で、千代紙には友禅雛形から採用した図案が多いのでこの様に名付けたそうです。 では、千代紙とは何かと言いますと、様々な説があるようです。起源として有力なのは京都だそうです。千代の御所と呼ばれた京都の宝慈院の尼僧たちが流行させたという説もあるそうです。また京都の伏見宮あるいは閑院宮の千代姫が愛好されたので千代紙と名付けたという説もあるそうです。このように京都で創製された千代紙は、京都では御所や公家にふさわしい有職文様の伝統的デザインや草花、友禅模様などの渋い雅趣の有るものが主流でした。やがて江戸では大名家がおかかえの絵師にデザインさせたり、錦絵の技術を活用して京都をしのぐほど盛んになり大柄な江戸趣味のものも加えて多彩 に成っていったそうです。
Q..ケナフをパルプ化する方法を教えて下さい。
ケナフをパルプ化する場合、良いとされておりますのは 地球釜(圧力釜)を使用し、強アルカリにて長時間煮る 必要があると思われます。 平釜でも煮ることが可能ですが、ふたの上に重石を 乗せるなど、多少圧力がかかるようにする必要があります。 但し、当社の様な平釜は蒸気を入れて煮るタイプですと、 煮れば煮るほど、蒸気からの水分が入り、釜内のアルカリ度が 低くなってあまり煮えません。 釜の下から火を燃やす旧タイプの平釜ですと煮れば煮るほど 煮詰まりアルカリ度が上がり、煮えるようです。 苛性ソーダの使用量は、楮を煮るときの使用量の 約3倍は必要だそうです。 そのため、多量 の中和用の薬剤が必要となり、また、水洗いにも 時間が必要です。(多量の水が必要です) 叩解にはホレンダービーターやリファイナーを使用した方が作業性としては良く、 ここでも長時間、叩解が必要だと思います。 もともと、ケナフというのは葦の様な植物ですので、中心部の繊維は短く 葦や藁などの繊維と似ていると思います。(繊維長は広葉樹パルプと近いようです。) 但し、皮の部分は非常に強く、麻の様な繊維になります。 現在、ケナフのパルプ化は主にタイ北部などで行われており 木材のパルプ化プラントを設置し、パルプ化を行っております。 和紙用の設備では上記のことなどから大変である思います。 (当社では、まず、繊維を2センチぐらいの長さに切り、水に1週間つけ込みんだ後、 通常の3倍の苛性ソーダーを使用し、3日間煮込みましたが 十分には煮えておらず、ホレンダービーターにて長時間、叩解し なんとか紙にすることができました。)
ケナフは和紙の素材に適しているかどうか・・と言う議論が 全国和紙連合会でされ、結果 あまり適さないと報告されております。 先程にも述べたように繊維が細かいために楮や三椏の代換え品には なりません。(藁や竹の代わりにはなると思いますが、通常、藁や竹は画仙紙に 使用することが多く、墨付きのことなどから簡単には代わらないとは思います。) また、楮、三椏、藁、竹を煮るのに必要な苛性ソーダ(ソーダ灰) の3倍以上の量 が必要だと言うことから、排水の汚れ方が著しく環境面からも 考えて、和紙材料には適さないと言うことだそうです。 ただ、洋紙の範疇になるかもしれませんが、広葉樹パルプの代わりにはなると思います。和紙業界と言うよりも、製紙業界としては、ケナフは現在の森林資源にかわる物だと思います。
ケナフは通常の植物の2倍以上の二酸化炭素を吸収し、茎にため込んでいる と言われ、地球温暖化の原因でもある二酸化炭素を少なくするには とても役立つと言われ、日本各地で普及されました。 また、ケナフの利用方法として非木材紙普及協会では盛んに 紙としての普及をいい、各地で、ケナフによる紙漉が行われております。 私も、以前に、大阪の商社より「ケナフの植林事業とパルプ化の協力を」と言われ 「同じ非木材として楮や三椏を植えていただくと和紙業界の普及にもなる」と 言ったところ「二酸化炭素の吸収が一番良いケナフを使うことに意味がある」と 言われたことがありました。
では、なぜ、二酸化炭素を他の植物の2倍以上吸収するケナフを、 楮・三椏・藁の3倍ぐらいの高いエネルギーをかけて紙にする必要があるのでしょうか? 地球上の緑や保水性を守る意味において、広葉樹にかわる新しい素材と してケナフを使うのであれば、私は賛成いたします。 一年で大きくなり栽培もしやすいとなれば、広葉樹パルプに代わる新しい素材として 利用の価値がでてくると思います。 情報が片手落ちのような感じがします。このような認識をいただきケナフの活用方法 等を見つけていただければと感じております。
付け加えるなら・・・現在のパルプ業界も多少変わってきております。 日本の住宅着工件数が少なくなったために、アメリカ、カナダの 木材の輸出が減り、そのために廃材や製材くずが少なくなり パルプ生産がおかしくなってきております。 北米のパルプ企業は大きい木材企業の1グループで採算がとれなくなると すぐに廃業や工場閉鎖になっております。 日本の不況が思わぬところに波及し、パルプ工場の閉鎖や廃業につながり パルプ工場の再編が進んでおります。 そのなかで、南米のチリの工場は木材を計画的に植林し計画的に パルプにしております。包装の上からの「プラントによる生産した物」 と明記してあるぐらいです。 と、言うことで、パルプ業界も森林資源の確保のために変わってきております。 ちなみに当社石川製紙は主原料のパルプはチリの工場のパルプを使用しております。 (これからは こうゆうことを打ち出さなければいけない時代なのかもしれませんね。)
以上、石川製紙株式会社 専務取締役 石川浩様の私見でございます。
非常に的を得た解釈だと思います。(杉原)
「ケナフが地球を救う?」最近のケナフ流行に対する杉の意見・・・
ケナフを育てる方は是非お読み下さい。(注意点)
「森林を伐採してケナフ畑にするのは、典型的な森林破壊」・・・森林総合研究所森林環境部よりところで。
 
【ところで】工業的に楮や三椏など、和紙原料の代替と考えるにはケナフは問題ありますが、
もう一方で、草花の一種、色々な繊維を取り出す選択肢の一つととらえると、勿論ケナフも紙にできます。以下は和紙抄造家、伊勢の中北さんのレポートです。
・・・私の家庭的な処理の経験としては、子供の自由研究のため、 8月半ばに収穫したとき、ケナフはあっけなくすごく楽に 台所で処理ができました。結構しなやかな葉書が漉きあがりました。 ところが、近くの小学校で育てたケナフを、11月頃に持ち込んで来て 当社で処理をしたときは、楮を処理する道具、薬品を総動員 しましたが、それはそれは、苦労をしました。できあがりも ばさばさで、楮葉書とは比べようもありませんでした・・・
以上は中北さんの体験談です。
ケナフも収穫の時期を考えることが大切!ということらしいです。
勉強になりました。
 
Q..和紙の歴史について教えて下さい。
その昔中国では文字を書くための絹織物を「紙」と呼んでました。紙が発明されるまでは木管などに書いていたが、かさばるのが欠点。一方絹はコストがベラボウに高い。それを解消するために発明されたのが今日の「紙」となります。
発明された当初「紙」は衣服や綿の代用品として、むしろの様な簀で漉いていたようです。聖徳太子の時代には既に朝鮮からの渡来人が多く来ていて、自分たちのために細々と紙を漉いていたのでは無いかと推測されます。(以上、森田康敬様のお話より、日本紙アカデミー理事)
●紙の発明
ご存じの通り、今日的な紙の発明は後漢時代の一〇五年に蔡倫が、汎用 性が高く従来品に比較して廉価な「書写 材料に適した紙」の製法を発明 して、時の皇帝であった和帝に献上したことに始まるとされている。( 『後漢書蔡倫伝』)
●紙の伝来
紙漉きの技術の日本への伝来は、飛鳥時代の六一〇年に高麗僧「曇徴」 によって紙漉きと墨の製法が伝えられた。(『日本書紀』)高麗王朝か ら、技術者の僧「曇徴」を献上されたことにより日本で始まりました。
●紙の国産化
紙漉きの技術の伝来から一〇〇年程してから、本格的な紙の国産化が始 まり、天平九年(737年)には美作、出雲、播磨、美濃、越(越前の国、福井)などで 紙が漉かれるようになった。(『正倉院文書』) 大宝律令(701年)によって国史(『古事記』『、『日本書紀』 )や各地の『風土記』の編纂のために図書寮が置かれ、紙の製造と紙の 調達もその職務に定められていた。

最も古くから漉かれた紙は、麻紙で原料は大麻(Hemp)や苧麻 (Ramie)の繊維や、麻布のボロや古漁網などから漉かれた。麻は繊維が 強靱なので、多くは麻布を細かく刻み、煮熟するか織布を臼で擦りつぶ してから漉いた。 漉きあがった麻紙は、表面が粗いので紙を槌で打ったり(紙砧)、石塊 、巻貝、動物の牙などで磨いたりして表面 を平滑にした。つぎに空隙を 埋めるために、石膏、石灰、陶土などの鉱物性白色粉末を塗布する。さ らに墨のにじみ(遊水現象)を防ぐため、澱粉の粉を塗布するなどの加 工を行う。取り扱いが難しく、次第に楮に取って代わられ、一時期は消 滅してしまった。
麻と同様に繊維が強靱で、しかも取り扱いが易しい、増産に適した穀 紙と呼ばれる楮を原料とした紙が次第に普及していった。  穀は梶の木のことで、楮の木とも書き、楮と同属の桑科の落葉喬木で 、若い枝の樹皮繊維を利用する。抄造は麻紙と同様に煮熟して漉いた。 繊維が長くて丈夫な紙となり、写経用紙や官庁の記録用紙として、染色 されずにそのまま用いられた。紙のきめや肌がやや荒いが、丈夫で破れ にくく、衣食住のさまざまな分野に応用されて使用されていくことにな る。
『正倉院文書』の神亀四年(727年 奈良時代)の写経料紙帳に 、麻紙、穀紙、染紙が使用されたとある。             同じく天平十九年(747年)の条には、斐紙の名が見られる。斐 紙は雁皮紙のことで雁皮を原料とした紙で、繊維が短く光沢があり、き めの細かいつやのある紙になる。 さらに天平二十年には檀紙の名が見える。檀は真弓とも書き、主に弓 を作る材料に利用されたニシキギ科の落葉亜喬木で、若い枝の樹皮繊維 を利用する。檀紙は陸奥紙とも書き、みちのくのまゆみ紙といわれ、厚 手で白色の美しい紙であった。
●流し漉きの確立(和紙の成立)
 平安時代に入ると、山城国の紙戸が廃され、大同年間(805〜 809年)に「紙屋院」という(「しおくいん」とも読む)官立の製紙工 場が作られ、日本固有の製紙法である「流し漉き」の技術が確立されて いる。 紙を漉く時に、揺すりながら紙の層を形成する方法で、中国の静置して 脱水する「留め漉き」と異なり、「ネリ」と呼ばれる植物の粘性物質を 使用する事に特徴がある。    紙料(叩解の済んだ原料)を水に分散して、とろみのような粘性の物 質を加える。ネリを加えることにより、水の粘性があがり、簀の子から の脱水がゆるやかになり、繊維が簀の子の上に均一に並び、薄い紙を漉 くことが出来る。さらに、簀の子へのくみ取りが数回に渡ってもうまく 層が重なり合い、厚みも自在に調節できる。まさに製紙の画期的な技術 革新であり、名実ともに和紙の誕生であった。「ネリ」はノリ,タモと も呼ばれ、ニレの皮やサネカズラの茎の外皮などから作られた。のちに 、黄蜀葵の根や糊空木の皮などから作られた。
ネリを使用して漉きあげると、漉きあがった紙を順次積み重ねて、水 を絞り乾燥させたあと、一枚一枚に剥がせるという特性がある。そして 乾燥して完成した紙には、「ネリ」の影響が全く残らない。
●秦氏と紙漉き
官営紙漉き場であった紙屋院は、平安時代の製紙技術のセンターであ り、当時の最高の技術で紙を漉き、地方での紙漉きの技術指導も行った 。 『源氏物語』には、「うるわしき紙屋紙」と表現し、またその色紙を 「色はなやかなる」と讃えている。 紙屋院が設けられる前の、奈良時代にも図書寮が製紙を担当していた 。 『令集解』には、紙戸五○戸を山代国(山城国・現京都)に置いたと記 録している。 山城国に特定したのは、古代における最大の技術者渡来集団といえる 、秦氏が勢力を張っていた拠点であったからである。 秦氏の渡来当初は、現在の奈良県御所市あたりに大和朝廷より土地を 与えられている。  のちに主流は山城国に移り、土木・農耕技術によって嵯峨野を開墾開 拓し、機織り・木工・金工などの技術者を多く抱えて、技術者集団をな していた。
機織りの技術者がいたことから、当然当時の衣料の原料である麻や楮 の繊維から製糸する技術者もいた。 製糸の技術は、麻や楮の靱皮繊維を利用することでは、製紙と類似技 術であり、原料の処理工程は殆ど一緒であり、繊維を紡ぐか、繊維を漉 くかの、まさに紙一重の違いしかない。 すでに原始的な紙漉きの技術を、持っていた可能性もある。 このような技術的な基盤のもとに、平城京の政権は、山城国(山代国 )に紙戸(官に委託された紙漉き場)を置いた。 飛鳥時代の宮廷・官衙の物資調達に任じたのが蔵部で、秦大津父は大 蔵掾に任じられ、聖徳太子の蔵人となった秦河勝は京都太秦に峰岡寺( のち広隆寺)を造営している。
秦忌寸朝元は天平十一年(739)に図書頭に任じられている。  平安時代に入ると、秦公室成は弘仁二年(811)図書寮造紙長上 であった秦部乙足に替わって、図書寮造紙長上に任命されている。 秦氏は、このように古くから、造紙関係の要職と深くつながっていた 。 秦氏のような、技術者の基盤の上に製紙の国産化が行われ、山城国 が製紙の先進技術を誇り、和紙の技術センターの役割を担ったが、紙の 需要が高まるにつれ、原料の麻や楮は地方に頼らざるを得なくなった。 紙の需要が高まるにつれ、皮肉なことに律令制度に緩みがでて、紙の 原料の供給が細ってしまった。  紙屋院の技術指導によって、各地で紙漉きが盛んになり、律令制度の 統制力の弱体化とも相まって、紙屋院は原料の調達が思わしくなくなっ た。
さらに詳しい和紙の歴史についてお知りになりたい方はこちらへ・・・
●佐野様の考える和紙の定義とは
和紙の成立の経緯からみて、結局の所渡来人によつて紙の技術が伝えら れ、渡来人によつて和紙の技術が確立されたといえます。  楮や三椏、雁皮などの材料を使って、当時の中国の留めと異なった漉 き流し漉きという独自の技術を開発し、独特の強さと風合いを持った和 紙は、紙屋院で開発されました。 そして、その技術は秦氏が主導したと考えられます。  そのような歴史的観点から見れば、たとえベトナムやタイで漉かれて も、原料や漉き方が同じで有れば和紙と呼んでも全く可笑しくありませ ん。  世界で和紙の良さと、技術が普及して、世界中で「和紙」が漉かれる なんてとても楽しいことだと考えます。
以上、佐野晃夫様の貴重な研究による私信を全文掲載させて頂きました。ありがとうございます。(杉原)
Q..和紙は海外でも注目されているのですか?
いま、世界的に、和紙への関心が高まっています。中でも関心を呼んでいるのは、地球環境からみた、和紙のエコロジーとしての側面 です。
数十年数百年生きてきた大木を粉砕、パルプ化して原料にする洋紙に対し、手仕事が主の和紙は、麻、竹などの草木または楮、三椏、雁皮の枝から靭皮繊維を取り出して原料にする。株を残すことで、翌年も収穫出来るようにする循環採取である。それは、資源の少ない土地で和紙を作り続けるために生まれた共存の知恵であった。
四方を海で囲まれた島国日本。私は狭い土地を枯らさずに自然の恵とサイクルに合わせて暮らしていたかつての日本人の静なる文化を和紙の中に見る。いまや地球という星から逃げ場のない人類は、東西を問わず循環の重要性を学ばなければならないときがきているのである。
以上、森島紘史様(1999年3月4日、毎日新聞夕刊より抜粋)
Q..和紙は時間と共に白くなると聞きました。黄ばむのではないですか?
今までの経験から言って、抄造の段階で楮などを科学薬品等で漂白した紙は時間と共に黄ばみます。一方、無漂白の紙は、時間と共に白くなってゆきます。
繊維の痛みや薬品の残留物の有無などがその原因・・・オゾンが不純物を酸化して漂白する・・・リグニンが分解される・・・等々の推測は出来るのですが、残念ながらその作用の科学的な根拠としては、明確な説明ができないのが現状です。
一部の和紙産地で、冬に雪晒しと称して楮を天日に晒します。この科学的根拠も明確ではありません。ヒントをお待ちしています。
上記の問題の回答(一部)・・・楮や三椏など和紙の原料となる植物はすべて繊維(セルロース)以外にもリグニン、ヘミセルロースを含んでいます。これらが繊維同士の接着をしているわけですが、和紙を抄造するにはこれらの接着を分解する必要があります。いくら苛性ソーダ等の強いアルカリで煮ても完全に非セルロース分を取り除くのは困難なのです。多量 の使用ではかえって繊維を痛めてしまい、弱い紙になります。しかし、このままでは紙は茶褐色のままなので、ここで漂白が必要になります。
「方法1」天日漂白、紫外線で漂白します。此の方法は紙は純白ではなく僅かに色が残るのですが、時間と共に白くなります。(町田誠之先生のお言葉に依りますと「紫外線により励起(れいき)された酸素の漂白作用」と言うことらしいです。)
「方法2」塩素漂白、塩素の酸化作用で、色素を分解します。短時間で漂白できる反面 繊維を痛める事があり注意が必要。漂白後の水洗いが不十分で塩素が残ってしまうと、紙の劣化や変色の原因になります。
追記・・・中北喜得様よりの情報
新聞紙が日に焼けるのを見て、紙は日に焼けると思ってらっしゃる人が多いようですが、新聞紙が焼けるのは、リグニンなどの樹脂成分を十分に取り除いてないから・・・なのです。染料などは日に弱いのが通 り相場で、特性表には必ず「耐光性」の欄があります。私たちの業界では、まぶしい白を出すために蛍光染料の使用を求められることがあります。当然、蛍光染料も光には弱いので
日があたれば退色します。すると、紙本来の地色が出てくるのですが、染めた白が薄くなって本来の白が出てきただけなのに、紙が焼けた、と言われてしまいます。再生紙なのに、真っ白、という、存在意義が根本的に疑われるような
紙が実際に存在しています。もちろん、これだって日にあたれば見る見るうちに変色してしまいます。何を使っているのかわからないこんな紙は、素手では触らないほうがよさそうです。(以上中北様のメールより抜粋)
(杉)より白い紙を求める需要があるから、紙を白く見せるために蛍光染料を使用する・・・これが問題みたいです。厳密な色合いを求める日本人の風土として、定着してしまった塩素漂白、色のばらつきを(許容範囲として)認める土壌があれば、本当は塩素漂白は必要ないのです。・・・ロット毎の色合いのばらつきを許容できますか?(許容して欲しい、そんな時代がきっと来る)
Q..和紙は身体にいい?
(みのもんた司会『おもいッきりテレビ』1998.6放送より)
和紙の効用 1.ほこりを吸い取る。2.湿度を調節する。3.臭いを吸着する。4.UV (紫外線)をカットする。5.目に優しい。6.和紙の服はいい。7.和紙の寝具はいい。結論『和紙は身体にいいものだった。』
1.・・・ハウスダスト測定実験で、洋室は24,995レベルに対し、和紙の部屋は17,302レベルと埃が少なくなった。また身体への害が問題になっているホルムアルデヒドの測定でも洋室は0.06ppm に対し、和紙の部屋は0.04ppmと測定値が低く、有害物質が減り、空気がきれいになった。なぜ、和紙にこの様な作用があるのか?・・・和紙は抄造時に原料の繊維が複雑に絡み合い、その絡み合いの間に出来た「微細な空間」(この空間が洋紙には無い)はマイナスの電気を帯びて、プラスのほこりを吸い取るのです。
2.・・・湿度を測定すると、洋室は湿度70%に対し、和紙の部屋は52%と快適な湿度であることが証明された。これは、和紙の繊維間の微細な空間に水滴を吸い取る効果 があるためで、湿度が高ければ水の粒子を吸着し、反対に湿度が低いと水粒子を放出して、湿度を調節するのです。
3.・・・臭いの吸着も同様な理屈で吸着されるわけです。消臭効果の実験では、ビニールクロスが全く臭いを吸い取らないのに比べ、ナント和紙は殆どの臭いを吸い取ってしまったのです。
4.・・・UV(紫外線)をカットし、お肌お守る効果があります。実験では、窓にカーテンが無い状態のUVは37.0レベル。レースのカーテンを使用すると明るさは少し落ちてUVは15.9レベルになった。さて、和紙のカーテンを使用すると明るさは殆ど変わらないのに、UVはナント1.9レベルにまで大幅にUVカットされた。
5.・・・和紙は繊維が複雑に絡み合っているため、光を乱反射し、目に優しい波長の長い光だけを通 します。和紙には目を守り、お肌の老化を防ぐ効果があるわけです。
6.・・・和紙をこよりの様によった糸で作った服は、衣服内気候に優れている。実験では、綿の服は、湿度は下がるが、温度が上がる。ポリエステルの服は湿度.、温度共に高い。和紙の服は、湿度も温度も低いまま保たれ、快適であることが証明された。
7.・・・寝具のシーツや枕カバーを和紙に代えると、湿度も温度も快適に保たれる。寝苦しい夜にも、汗を吸収発散して涼しさを保ちます。
●結論●和紙は身体にいいのです。
Q..草木染
通常、布に草木染をされる場合と同じ工程で染めが可能です。抽出した染料に布をひたすところを紙もしくは紙の原料(紙を抄紙する前の状態のもの)を入れてその後媒染液(鉄 銅 アルミ)を加えて定着させてから水洗いをするだけです。日光堅牢度は大変弱いです。(これは布の場合も同じです。)
Q..波動について
和紙には波動が有る。それもかなり高い波動である。麻、絹、和紙は波動がヒトより高い。自然色、蛍光無し、ドーサ無しであるほど、その効果 は高いらしい? 詳しいことは現在調査中。この波動をご存知の方はヒントをお待ちしています。
Q..コピー&レザープリンターについて
ちなみに一度コピーしてみて下さい。和紙は非常にトナーの乗りが良く細部まで鮮やかに表現出来ます。また試しにレザックなどの特殊紙(洋紙)でコピーしてみると予想外の仕上がりにびっくりします。恐らく洋紙の抄造時に使用する特殊な薬品か、もしくは型付け加工時の薬品か熱処理などにその原因があるのでしょうが、とかく洋紙はコピーしにくい紙が多くあります。仮に何とかコピーできても、トナーが定着しておらず、手が真っ黒になってしまいます。一方和紙でコピーできない紙を探す方が難しいようです。
Q..ワープロについて
最も一般的な熱転写型のプリンターで和紙に印字する場合。基本的に紙面が平滑であればよく、紙をえらびません。もちろん和紙にも充分印刷でき、羽二重紙のように、両面 平滑な紙は、どちらの面にも印刷可能です。
Q..インクジェットプリンターについて
実際のところ、キャノンやエプソンなどメーカーにより、インクの適性が異なり、すべての機種に対応できる紙は不可能と言ってもいいほどです。もっとも、基本的にインクジェットプリンター用のインクは、にじみやすく。、乾燥に時間がかかるため、適度にインクを吸い、にじまない紙が適しており、出来るだけ細い繊維を主体にした紙が良いようです。羽二重紙を始め、和紙は全体的に、「全く問題ない。」とはいえませんが、使って支障のない範囲だと思います。(参考までに市販のインクジェット専用紙は、表面 密度を上げるため、タンカル、シリカ、タルク、水酸化アルミ、クレイ、でんぷん、などを塗布しているようです。)  なお、最近のインクジェットプリンターで試してみると、かなりインクの改良が行われているようで、和紙でも殆どにじまなくなってきました。
Q..リソグラフについて
今日オフィスや、小売店などで普及している、リソグラフ等の簡易印刷機でも和紙は非常に優れた印刷適性を発揮します。洋紙に比べ和紙はインクの吸い込みが早いせいでしょうか?裏写 りも少なく、仕上がりも綺麗で、和紙と相性がいいようです。
Q..リサイクル、再生紙、非木材紙は本当に地球に優しいのか?  
和紙の主原料である楮は、毎年収穫できる成長の早い植物で、作った紙が1000年の寿命があること自体、植物資源を紙という形で保管蓄積できると言う意味でエコロジー。日本では故紙の回収率が50%を越える(最近のリサイクル率は53%とのこと)むしろなぜ、コピー用紙まで再生紙にしなければいけないのか?様々な脱墨剤や、漂白剤等の化学薬品を多用してまで木材資源を節約し、そのおつりを水質汚染に転嫁する必要があるのか?以上季刊和紙8石川順一様の記事より抜粋。何だか、『リサイクル』『再生紙』という少々の環境保護のために多くの環境破壊を行っているような矛盾した行為におもえるのですが…  
Q..本当のエコロジーとは?本当の環境保護とは?
たとえば、軽くて、丈夫な和紙を繰り返し使用する、とか。いずれは枯渇するであろう、化石燃料に依存せずに原料も製品も自然のサイクルの中に溶け込んでいる点、とか。無公害(本当にそうなのだろうか?)で原料自体が一年若しくは数年で成長する植物が主体で、その繊維同士の結合も自然で、水に濡れれば弱くなり、火を付ければ燃える、有害なガスなど一切発生しない、原料が総て植物なので、土に埋めれば大地に帰る…などなど、こんなことは、エコロジーとか環境保護には、つながらないのでしょうか?胸を張って『○○だから和紙はエコロジーなのだ!』と言える論調にしたいのです。どなたか、お知恵をお借りできませんか?また私の文章でおかしな点があったらお聞かせ願いたいのですが…   
 
Q..保温効果、湿度調整
水分を吸収・発散する和紙は、住空間の湿度をコントロールしてくれます。和紙には保温効果 があり、和紙の繊維の絡み合いの層のおかげで、暖房効率を高めてくれます。
   
Q..UVカット
和紙は、UV加工を施さなくても、そのままで有害な紫外線をカット。レースカーテンに比べて、和紙の方がはるかに紫外線を防ぐ力が優れているそうです。    
Q..目に優しい
和紙は紫外線は通しませんが、可視光線は通します。従って、太陽光線のもとで読書するより、障子の部屋で読書する方が、目の疲れ少なく、紫外線によって引き起こされる白内障を防ぐことが出来ます。また、和紙を使った照明器具は、人の目にいい波長のみ通 すので、目にはとても優しく、和紙のシェードを使えば、目の疲れを癒すこともできます。
   
Q..エア・コンディショニング
吸湿性に優れた和紙は、水分を吸収・発散するため、結露やカビを生じません。また、臭いは水に溶けやすいので、吸湿性により、嫌な臭いも除去されます。さらに、吸着性によって埃を吸い取り、空気を含有しているので、通 気性にも優れ、カビ・ダニ・ハウスダストといったアトピーやアレルギーの原因を軽減。空気を浄化し、湿度を調節するエア・コンディショニング効果 によって、和紙は優れた住環境を維持してくれます。
   
Q..エア・コンディショニングへの上良喜夫 様の質問
1つ質問。和紙にはエア・コンディショニング効果があるということですが、具体的には、どういうふうに使用すればいいのですか。部屋に 和紙のたばを置いておけば空気がきれいになるのですか。
   
Q..上良喜夫 様の質問への私の返事
ここで言うエア・コンディショニング効果とは、襖や障子、壁紙として、和紙が使用されたときのことを言っています。確かに和紙はそのまま束にして置いておいても、湿度が多ければ水分を吸い、湿度が低いとその水分を吐き出すという作業を行っていますが、出来るだけ空気との表面 積が大きいほどその効果が高いのは、説明するまでもないと思います。生活の洋風化が浸透し、襖や障子に代わり、サッシやビニールクロスなどが急激に一般 家庭に普及したのですが、これらの素材は、部屋を密封するには良いのですが、人が住む環境としては、必ずしも快適ではないと言われ始めています。  
  
Q..日本中が和紙の産地  
本来、和紙は、特に我が日本では、古来より必要不可欠な道具でありましたので、その産地は全国に有りました。今日の各都道府県にも必ず和紙を抄造する産地があったはずです。しかしその多くは、もっぱら兼業的で、冬の間のみ抄造するという産地だったと思われます。この様な兼業農家的な和紙産地とは一線を画し、専門的に(一年中)、特徴ある和紙を全国に提供し続けた、越前、美濃、土佐などの産地が、今日まで綿々と優れた和紙を抄紙し続けております。詳しく産地名をお知りになりたければ、和紙の手帳・,・などを参照下さい。
Q..和紙の定義  
本来紙漉きの技術は、中国から伝来した。が、中国の紙は和紙ではない。また、明治維新以降ヨーロッパの技術導入によって発展した洋紙も和紙ではない。中国では藁や竹などやはり短繊維にて抄造していた。その技術が日本で楮、雁皮などの長繊維での抄造と、ねりの開発によって和紙が生まれる。15〜2mmの繊維を(洋紙は2mm以下)使用。水中で凝集しないように、粘性を持つ分散材を加える。当然簀(ワイヤー)からの濾過スピードは遅くなり簀を揺するなどする(洋紙はワイヤーの下から強制的に脱水する、人工的)。これにより繊維は上手く絡み合い、薄く強靭な和紙が作り出される。原料となる繊維の特性を倍加させ、上手く引き出して生活に利用する東洋的産物である。「季刊和紙8石川順一様の記事より一部抜粋。」
Q..ところで、洋紙のマシンで抄造した和紙風洋紙も存在する  
この洋紙マシンは短繊維しか抄造できない。針葉樹(N材繊維が長い)2:広葉樹(L材)8程度。ビーターもすり潰すのではなく短くカットしてしまう、繊維長をそろえないと上手く抄紙出来ない。スピードの関係もあり長繊維では地合がとれない。また繊維の絡み合いというより、粉々の繊維をバインダーでくっつけて固めてしまうという表現に近い。
Q..和紙定義上の問題点  
もちろん、楮、三椏、雁皮など靭皮繊維を使用した紙はもちろん和紙といえる。それではこれらの原料を使ってタイで作られた紙は和紙といえるのか?これを考えると夜も眠れません。どなたか、この問題に答えていただける方、ご意見をお待ちしております。
Q..山下善久様のご意見  
和紙の定義について 書いてありましたので 僕の思いを書かせてもらいました
通産省が伝統的工芸品として指定する要件には (和紙に関して)6つの要件が 必要です
1,工芸品であること(熟練した技を必要とする工作物であって 芸術的要素を 備える物)
2,主として日常の用に供される物
3、製造過程の主要部分が手工業的であること
4,伝統的技術または技法によって製造されるもの(技術または技法が100年 以上の歴史を有する)
5,伝統的に使用されてきた原材料であること(持ち味を変えない範囲 外国産 も可)
6,一定の地域で産地を形成していること
細かい内容は色々ありますが 以上を満たしていれば 伝産マークの貼れる和紙 基本的に和紙の定義の基本になると思います
3,の手工業の所は 流し漉き 溜め漉きどちらも
5,の原材料は越前では 楮 雁皮 三椏 マニラ麻 を指定してます 他の産 地では指定が違います。指定材料が80%以上であればいいとのことです
僕は この中のひとつでも 要件を満たしていれば 越前和紙としてうたえばい いと思います
それから 同じ材料で外国産の紙を和紙と呼ぶか・・・それは和紙と呼ばないで下さ い。●●産の紙と明記してほしい。
Q..hagaさん・・・実は二つの和紙の定義か混在していた?
材質的な定義では「植物の靭皮繊維を原料として流し漉きした紙」だと思います。(『材質による定義』)すなわち、いわゆる和紙の風合いの紙です。
もちろん、和紙には溜め漉きもありますが、溜め漉きは朝鮮から伝わった技法をそのまま受け継いだものであり、和紙を特徴づけるものではありません。
溜め漉きの紙も和紙と呼ぶには、『伝統から見た定義』すなわち「日本古来の製法で作った紙」と和紙を定義しなければなりません。
つまり、和紙の定義には材質による定義と伝統から見た定義との二つがあると思います。定義が二つあることで混乱を生んでいると思います。
「機械抄き和紙」や「海外の和紙」なんかは材質による定義で「和紙」と呼んでいます。
しかし、伝統から見た定義からすれば、これらの「和紙」は和紙ではありません。
しかし、この定義からすれば現代の機械と薬品を駆使して漉いた紙も和紙ではなくなってしまいます。
ここに矛盾があります。
だから、現在はより定義を緩やかに「日本古来の製法を改良して漉いた紙も和紙と呼ぶ」と付け加えなければなりません。
いかがでしょうか?(なかなかクレバーな意見だと思いますが、いかがでしょうかね・・・杉。納得です。2000.1218)                    
Q..和紙の機能7W…小林良生様961105  
・書くwrite、・包むwrap、・ぬぐって捨てるwipe&waste(家庭紙)、・wear合成繊維で紙を作る、・workコンデンサペーパー等の機能紙、・wits知恵や感性に関わる紙、・world地球環境を保全する目的の紙――・〜・は大企業が狙っている。和紙は4〜7をねらえ!PS.和紙は毛筆に適するように作られ続けたものである。アメリカでは1970年代よりペーパーアートが流行している。また製本の技術も(ブックバインディング)流行している。台湾では人件費が高騰してきた。(タイ、フィリピンへ移転、130槽の紙漉き工場、画仙紙、包装紙)中国の追い上げすごい。パルプ生産高は日本を抜いて3位 。生産高の70%は非木材紙。
Q..「叩解」の和紙と洋紙の違い  
和紙はパルプを叩解して、和紙の原料とします。 さて、洋紙もパルプを叩解します。しかし、洋紙は叩解という感じではなくむしろ、すり潰して粉々の粉末にしてしまうと思って下さい。 超高速に抄紙機を回転させる洋紙では、原料は常に均一でないとそれもミクロの単位 で(極端に言えば)精度を要求します。その繊維のもつ風合いなど出せるわけないのです。その原料が針葉樹であれ、広葉樹であれ、はたまた、その他の植物の繊維であってもとにかく粉々に砕いて総て均一な状態にして抄紙が始まります。必要であれば密度を上げるためにさらに様々なものや、薬品なども混入します。そして、そのようなバラバラの原料などを強制的にくっつけて、固めてさらに均一な厚みになるよう表面 をこすって、抄紙されるのが、洋紙なのです。 さて、一方、和紙は洋紙と対照的に、繊維の長さをそのまま残すような叩解を行います。繊維が一本一本ほぐれるように叩解するのです。その繊維一本一本を水中でふんわりと絡ませたものが和紙なのです。
Q..問屋と商社  
商品開発が急務と言われる今日、未だに「在庫屋」程度の役割しか果たしていない和紙問屋が多い。昔、洋紙の抄紙技術が入るまでの紙の受給バランスは圧倒的に売り手市場だった、今はこの受給が逆バランスに買い手市場になっており、つまり需要の開拓が無いことを意味している。だから、問屋じゃなくて商社が必要だと思うのです。もちろん、和紙の隆盛を願ってではなく、商社の利益のための商品開発が最も必要なのです。(…和紙を愛する方からのメッセージ)
Q..風通しの良い家(木造建築のありかた)  

現在の日本の家は、高気密、高断熱で、冷暖房効率や防音効果が良くなった反面 、窓が小さくなり、風通しが悪くなっています。高温多湿の日本の気候では、カビやダニが発生しやすく、アトピー性皮膚炎などの病気が増えるようになりました。この日本で快適に生活するには、やはり、木や土や和紙などの自然素材を充分使うことが大切。また、火災が発生した場合、合板やビニールクロスなどの石油化学製品は燃焼により有毒ガスを発生し、人体に致命的ダメージを与えたという報告もされています。なるべく内装には自然素材を使いましょう。(oak village通信・220上野英二様 の記事より一部抜粋)

Q..本当の省エネルギーとは  

養殖のブリを食べると、天然のさんまの10倍のエネルギーを消費した計算になる。現在の木造一戸建ての住宅を造るには、1平方メートルあたり京都御所の20倍のエネルギーを使うし、鉄筋コンクリートだとさらに5倍が必要になる。(日経新聞19970430春秋コラムより)恐るべき数字だと思います。エネルギーを使えば二酸化炭素を出し、地球温暖化に荷担する。様々な廃棄物や汚染物質を出すことにもつながる。結局、環境を汚染している。何だか迷路に入ってしまったようです。本当の省エネとは、何なのでしょう?原始的生活に戻れという意味では無いのですが…それではどうすれば…
 

Q..ドーサ膠明礬  

膠を煮込んで、明礬を加えたものをドーサ液と呼び、滲み止めに使う。
漉きドーサの場合は松脂を明礬で止める。
松脂の代用がサイズパイン。明礬の代用が硫酸バンド。
松脂とねりは喧嘩をするので流し漉きの場合は、必ず明礬が必要・・・だが、溜め漉きなら大丈夫。
 



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