washiya 杉原商店 和紙っていいよね・・・通信 vol.10

和紙屋杉ちゃんのひとりごと 11月号 2000/11/03

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今月はちょっと遅い配信にりました。
ズルしていた訳じゃないのです。
今日文化の日に越前和紙の里では歴史的な(ちょっと大げさ?)イベントが行われているのです。
本日を待っての配信となりました。

■□■ 今回のみどころ ■□■

1) 初公開!打ち雲づくり
  
2) 梅ヶ丘「和紙の最前線」ルポ

3) イベント情報
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1)打ち雲
   
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今日11/3から5日まで越前和紙の里では、和紙業界では超有名な岩野平三郎氏
(3代目)による打ち雲作りの実演が行われます。
(同時開催の料紙作りも、大変興味深い内容で工程を見ていると面白い・・・
ですが今回は打ち雲がターゲットです。)

この打ち雲は大変歴史有る越前和紙の有名な技法の一つで、現存している最も
古いモノは1053年頃に作られたそうです。
いわゆる鳥の子の一種(雁皮)の柄モノなのですが、現在、この技法を伝える
のは平三郎さんご本人しかなく、地元の人間でも(私も)目の前で打ち雲が出来

る工程を見るのは初公開とあって不思議な熱気に包まれました。意外にも地元の
人間が熱い眼差しを寄せてました。

青雲と紫雲にて構成され、私の聞くところに依ると青雲は天を表し、紫雲は地を
表すとも言われています。天地ともに紫雲だけというモノもあります。今回の実演
は天地2色のノーマルなもので行われていました。

用途としてはそのまま料紙の他に短冊や色紙に加工され、現在も流通しています。
高級和紙屋さんには必ず置いてますね。

ところで、岩野さんは今3代目ですから遡っても3代前まで・・・その前はどうやって
続いていたのだろう?一旦途切れていたのかな?・・・などと話をしていましたら、
「もともとヤヘイジから教わったんや〜」と岩野さん。ヤヘイジとは信洋舎のこと。
(信洋舎は今は打ち雲は作ってませんがまた面白い職人なので、別にいづれ特集する
つもりです。歴史有る会社です)
・・・つまり岩野さんの3代前のその前にも延々と遡れる技法で有ることが判り、
やはり平安時代から連綿と培われた技術であったのだ!と、妙に驚き、納得しました。

しかし、1000年も同じ柄を漉き続ける技術、またその和紙を求める市場・・・
どちらも凄いです。やっぱり日本人って凄いな・・・

ト ントンと見事なリズムで雲を作る・・・岩野さん。
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小刻みに動かす姿。小指から血が出るほど練習しないと出来ないと聞き及ぶ技
です。(見てると簡単そうですが・・・)
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紙の漉きあがり
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岩野平三郎さんでした。
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●打ち雲のSHOPへ●


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2) 梅ヶ丘「和紙の最前線」ルポ

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先月東京の「梅ヶ丘アートセンター」で和紙の最前線という企画が催されました。
和紙のメーリングリストの参加者からも全国から和紙を持ち寄っての展示となりました。
私も現場にお伺いしてパチパチ写真を撮ってきました。
浜中さんご苦労さまでした。(ごちそうさまでした。)
その現場の雰囲気を・・・ナントナーク伝わりましたかネ?

阿波の富士製紙さん。大判の紙確か数万円だった様な・・・?
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同じく富士製紙さん。時計
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伊勢の大豐和紙さん。海藻入りの和紙
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同じく大豐和紙さん。透かし入り!伊勢神宮御用達
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越前からは長田さん。行灯とバッグ
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3) イベント情報

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もう冬への準備でしうょか?今月はイベント少ないな・・・?

【福井・卯立の工芸館】
11/3.4.5 AM10時&PM1時30分
初公開、岩野平三郎の打ち雲作り
同時開催、平安王朝の料紙作り

【東京・両国】
11/25江戸東京博物館大ホール
第8回和紙文化講演会『中世の紙』−手漉き紙の多彩な展開−
半田正博、上島有、鈴木裕、吉野敏武、宍倉佐敏、久米康夫
午前10:00〜午後5:20
事務局 稲葉政満
電話 03−5685−7656 
FAX 03−5685−7780
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■□■編集後記■□■

インターネット企画第三弾「16集めてA5判の便箋を贈ろう!クリスマス企画」は、
本当にクリスマスまでに16人集まってしまいまして、ナント!現在作成中。なんです。
やってみるもんですね・・・
この企画の進行状況は
http://www.washiya.com/sukashi16/16-1/index.html
で一緒にごらんになれます。

私はさらに気をよくして第4弾「64人集めて作ろう・・・」を続行中です。
今度はいつになったら集まるかな〜??今度は結構時間が掛かりそうな予感が・・・
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「街角でこんな素敵な和紙を見つけた。私のお薦め和紙活用法、今度こんな
イベントを開催する予定」・・・等々、和紙情報をお寄せ下さい。
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〜五箇は太政官じゃ御金札御用じゃ〜笠をのがんせ木戸の内。〜♪
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