先日は東海地区に集中豪雨!大変な被害を目の当たりにしました。
水没してしまった印刷屋さんもあったとか・・・がんばって欲しいです。
越前は充分すぎる水分補給を受け、あとは需要を待つばかり。
日に日に秋が深まるこの頃です。
さあ、どんどん注文して下さい!!(カラ元気だけはいいです。)
■□■ 今回のみどころ ■□■
1) 鳥の子(雁皮紙)
2) その後の「うるわし」
3) イベント情報
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1)鳥の子(雁皮紙)
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鳥の子・・・って鳥の子ども・・・つまり玉子の色がそもそもの由来と言われています。
前回の和紙通信の人間国宝岩野さんの言葉に「私は自分の紙が日本一だなんて、
コレッポッチも思っていない。私は雁皮の紙が何と言っても紙の王様だと思います。」
と言われた、この雁皮の紙こそ、鳥の子の元です。
現在では様々な種類の和紙を鳥の子と呼ぶようになりましたが、本来の鳥の子はズバリ、
雁皮の紙です。
1300年頃よりすでにこの名が使われていたようで卵紙と書いて「トリノコ」と呼んだ
そうです。
さてこの雁皮!歴史もあり、風格もあり、正に和紙の王者・・・と言えます。何と言っても
その光沢は素晴らしく、透明感があり。
シャリシャリした質感(これは私だけの感覚か?)は今にも壊れそうなガラス細工のお姫さま
・・・と言った感じで・・・いいです。
でも価格もいいので、一般にはめったにお目にかかりません。
だてに高い訳では無いのです。雁皮は三椏や楮のように栽培が出来ないので野生のモノを刈り
取ってくるしか無いのです。また節が多いのでチリ取りが大変面倒で手間がかかります。
さらにこの紙は質感に優れているだけではなく、機能的にも優れています。繊維が細く緻密
なので、印字適性に優れています。
何と現在の最先端を行くインクジェットプリンターでも素晴らしい印字結果をもたらします。
洋紙みたいに様々な化学物質を塗りたくったりしなくても、そのままの素材で、素晴らしい
適性を発揮します。
滲み止め加工をしなくても、不思議なことに滲みが殆どありません。
毛筆には最高、吸い付くような感じです。(毛筆に縁のない私でさえ、その違いはわかります)
また、長期間の保存に対しても虫食いが少ないとも聞いています。
問題は逆に繊維が細いのでなかなか厚く漉くことが難しく、また高価に成ってしまう点で
しょうか?
現在では鳥の子と言う呼び名は実に様々な和紙を指す様になってしまい(奉書と同じように)
雁皮の場合も特に、「雁皮」若しくは、襖の場合は本鳥の子の1号や特号などど指定しないと
伝わらない世の中になりました。
スキャナーでは到底この光沢、質感は伝わらないのですが・・・
http://www.washiya.com/view/2000.10ganpi.jpg
雁皮漉き職人の梅田太士さん。
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佐々木 のえさん84歳の抄紙風景
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京都からの助っ人山下菜穂さん23歳の抄紙風景
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孫以上に違う年代を超えて、楽しそうに紙漉きをされる二人!!
何だか微笑ましい風景でしたので、掲載しちゃいました。
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2) その後の「うるわし」
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インターネット企画第一弾として、始めた「うるわし」ですが、忘れている訳ではないです。
大きさや色合いをグレードアップして、着実に製品化に向かってます。
先日サンドーム福井で行われた、お披露目会のスナップ
大判のうるわし
http://www.washiya.com/view/2000.10uruwashi-1.jpg
大判半裁のうるわしも好評
http://www.washiya.com/view/2000.10uruwashi-2.jpg
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3) イベント情報
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秋は芸術の秋、和紙のイベントも数々ありますネ・・・
【東京、梅ヶ丘】「和紙の最前線」
9月29日(金)〜10月11日(水)
「梅ヶ丘アートセンター」
日本の楮を使い、昔ながらの木灰で漂白しているのが「和紙」であって、それ以外は「和紙」
ではない、という言い方をするのも少し杓子定規な気もします。・・・和紙を良く知る浜中さん
だけに、深く考えさせられます。
<展示内容>
・伝統的な本物の和紙として、今でも雪晒しで漂白している「内山和紙」
・大判を漉く技術を発展させてきた「越前和紙」
・機械漉きを発展させ、和紙を産業化してきた「因州和紙」
・楮やミツマタ以外の植物繊維による「和紙」の取り組み、月桃紙、ケナフ紙ほか
・その他、全国からの新しい試みを展示いたします。
●阿波紙の工藤さん。
●伊勢和紙の中北さん。
<素材と造形を考える会>10月7日(土)午後2時〜4時
【東京、新宿】
10/7(土)am10時開演
「文化財の保存と修復」シンポジューム(入場無料)
テーマ:伝統に生かすハイテク技術
会場 :朝日生命ホール(東京 新宿)
開演趣旨:文化財の保存・修復に伝統技術をどう伝承し生かしているか、ハイテク技術をいかに
応用しているかについて、絵画等美術品、考古遺物、建造物、遺跡等の具体的な事例を上げて、
講演し、何故伝統技術が重要なのか、ハイテク技術の応用がどこまで可能なのか等の保存理念
について解りやすく説明します。(和紙関係では、岡岩太郎氏の講演があります。)
【福井県】今立芸術館
10/19〜11/1 「アートキャンプ2000」公開製作
11/18〜11/26「アートキャンプ2000」展示期間
【東京】東京都港区立 旧三河台中学校
10/24〜10/30 「アートキャンプ2000」公開製作
【東京、代官山】ヒルサイドテラス
10/31〜11/5 「アートキャンプ2000」公開製作
11/7〜11/12 「アートキャンプ2000」展示期間
【京都】
ロラン・セネカ和紙版画展
10月14日(土)〜10月31日(火) 13:00−19:00
場所:ギャラリー・PEEK-A-BOO
地下鉄丸太町南7番出口を出て右へ100Mほど
住所:京都市中京区竹屋町通東洞院西入る
電話:075−255−6202
・・・和紙にこだわっているフランス人作家。
来年3月に福井県今立町に滞在、展覧会をする予定。
【岐阜】
10/7.8日 4時から8,9時まで
第七回「美濃和紙あかりアート展」
詳しくは美濃市観光協会内、美濃和紙あかりアート展実行委員会
TEL:0575−35−3660
【美濃和紙の里会館】
10/14〜12/4日
和紙絵画展
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■□■編集後記■□■
インターネット企画第三弾は敬老の日を過ぎて、さらにクリスマス企画と名を変えて
続行してます。
「16集めてA5判の便箋を贈ろう!クリスマス企画」
かなりイイカゲンな企画みたいですが、結構マジです。
http://www.washiya.com/sukashi16/index.html
漸く16人何とか集まりそうです!!
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イベントを開催する予定」・・・等々、和紙情報をお寄せ下さい。
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