washiya 杉原商店 和紙っていいよね・・・通信 vol. 8

和紙屋杉ちゃんのひとりごと 9月号 2000/09/01

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暑い暑いと言っているうちに秋の風を感じる季節になりました。
子供たちの夏休みも終わり、本格的な収穫の季節「秋」がやってきました。
仕事にもそろそろ収穫が訪れていい頃だと思うのですが・・・
いやいや、まだまだこれからです。
貧乏人は一年中せっせと種蒔き種蒔き・・・
最後に笑うモノが一番大きく笑うそうです。
まっ笑って行きましょう!

■□■ 今回のみどころ ■□■

1) 引っかけ柄
  
2) 人間国宝大いに唄う

3) ちょっと感動したこと。


1)引っかけ柄ってご存知ですか?
   



今回ご紹介する技法は越前独自の技法「引っかけ」です。
この技法はちょっと特殊で越前以外の産地には見られない技法です。

先ず地紙を漉きます。(第一の水槽にて)
一方もう一つ別のフネ(第二の水槽にて)で三椏質の繊維を用意しておき、金型ですくい
上げます。(フネの中の原料を文字どおり引っかける感じです)すると、見事にこの金型
にそって繊維が並びます。このような繊維の性質を利用して、様々な模様を地紙の上に表現
することが可能なのです。
これを地元越前では「引っかけ柄」と呼びます。

「引っかけ」技法はこのように大変手間がかかり量産は難しいのですが、今日では全く同様
の作業を機械的に柄付けする技術も開発されています。尤も作業工程自体は手漉きと全く
同じなので、抄造スピードには限界がございますが・・・

この「引っかけ柄」をさらに発展させた技法も生まれました。
通常引っかけに使用する柄は単一の色で表現されることが多く、通常は自然色か、或いは地紙
と同色が一般的です。

これを単一の色合いではなく、色々な色に染めた繊維を混ぜ合わせて「第二の水槽」に攪拌
しますと、カラフルな引っかけ柄が可能になります。
これが「多色引っかけ」です。

さらに高度に応用した技法として、この金型の上から様々な色の原料を流し込んで、柄を作り
出す。「漉き模様」もございます。

この画像の扇面の縁取りは「引っかけ」技法にて柄付けしています。さらにその扇型の金型
に「金色」と「赤色」の二色の原料を別々に流し込んで完成です。
この様な技術応用すれば、さらに複雑な、立体的な漉き模様柄までも作成出来ます。


金属の枠の上に白い和紙の繊維が乗っている(引っかかっている)のが
見えますか??
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枠を伏せて、色々な繊維を流し込みます。
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複雑な技法を駆使して、このような柄も可能です。
三層漉き引っかけがら金銀振り扇面用紙
結婚式の招待状に使われます・・・
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撮影協力頂いた、山下さんでした。
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2) 人間国宝大いに唄う!?



先月もイベント情報でお伝えしましたが人間国宝になられた、岩野市兵衛さんを囲む、
アットホームなシンポジウムが8月24日福井県今立町芸術館で行われました。

「白くて、ぼってりと厚くて、しかも柔らかい」
岩野さんが、突然のインタビューに率直に応えた、自分の漉く和紙のイメージです。

見事!言い得ています。私はこの感触(手触り)(風合い)が女性的だと感じるのです。

「これからも、白い紙を作りつづけたい」と強く仰ってました。
白い紙とのニュアンスには混じりけの無い、純粋な・・・といった意味が感じとれました。

何と言っても圧巻だったのは・・・
「私は自分の紙が日本一だなんて、コレッポッチも思っていない。私は雁皮の紙が何と
言っても紙の王様だと思います。生漉きの奉書は王様にはものたりない」と、人間国宝が
あっさり言ってのけてしまうのです。
このあたりが、いかにも純粋な職人、「岩野市兵衛」の姿がにじみ出ています。素直に、
おごらず、しかし、厳しい姿勢が窺えました。

終始お笑いに満ちた、冗談混じりのお話で、時間はあっという間に過ぎ・・・最後に観衆
からのリクエストに応え、「越前紙漉き唄」をお聞きできました。
「〜神の授けをそのまま継いで〜親も子も漉く孫も漉く〜」
とても温かい気持ちに成れた、一夜でした。

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いつもは見慣れない、スーツを着た市兵衛さん。
パネルの前で作業の説明・・・
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これが噂の人間国宝認定書です。
不思議な地模様(山水画?)がありました。
http://www.washiya.com/view/2000.09kokuhou-ninteisho.jpg


3) ちょっと感動した話



今後、越前和紙をどうするか・・・
真剣な論議が広げられる中でデザインディレクター、坂田守正様が仰いました。

・・・もう消費者は居ない!消費者とはメーカーや問屋がモノを大量に生産し販売する
為に、考え出したものだ。今は消費者はいない、いるのは『生活者』だけだ」
私はこの言葉に、感激してしまいました。

そうです。生活者に訴える商品が必要なのです。
しかし?肝心の生活者とは誰か?
簡単です。自分自身です。


■□■編集後記■□■

先月より話題のインターネット企画第二弾
「8人集めて便箋作ろう大作戦!」が話題を呼んでます。
地元の新聞社の取材や月刊誌、ついにはテレビ取材まで来る始末・・・

余りの反響に思わず、インターネット企画第三弾
「16集めてA5判の便箋作ろう・・・二匹目のどじょう」企画も始めてしまいました。
敬老の日企画と銘打ってますが、多分今年は間に合いそうも無いので、来年の敬老の日まで
には実現したいものです。(かなりイイカゲンだな?)
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最近BBS(掲示板)の書き込みも増え始め、ちょっと忙しくて、楽しい毎日です。

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